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R_Rooftop DIY

編集しながら暮らすのかたち

· DIY

R_Rooftop DIY with フクシマケンスケ

( Rikyu Renovation Plan ) で屋上を改修中から、この空間をどうしたら有効活用できるかを

常に考えていました。Apartment RIKYU はご存知のように約50年前に建てられた建物です。

当時まだこの地域では高度制限がなく、現在の5階建の高さで建物を建設できました。

その後、高度制限が設けられたため、当マンションだけがこの地域で頭ひとつ高い建物となって

います。

プロジェクトの重要方針として壊さずリノベーションすると決定した要因のひとつがこの屋上空

間でした。

大規模修繕工事が終了して早いもので1年が経とうとしています。

暑かった今年の夏も終わり、屋上には とんぼの姿もたくさん見られるようになってきました。

 

構想1年、ずっと頭の中にあった屋上DIYを 10月初旬 ようやく実行にうつしました。

今回の作業はDIY と呼ぶにはハードすぎるので、強力な助っ人としてフクシマケンスケさんを

お招きするすることにしました。事前にイメージと作業内容を伝えたところ、快く日程を調整

してくれました。(フクシマさんはコツコツと、自邸を自ら大工工事している建築士さんです)

なんと心強いことでしょう。

DIYに当たり、まずは材料の数量割出し、組立方法、材料の入手方法、運搬と搬入をどうするか。

それらをクリアしないと何もはじまりません。

まずはフクシマさんが図面を描いて材料の割付をし、必要な木材の本数を割り出してくれました。

フクシマさんは青梅に「用ノ工房」という工房をお持ちで、工房の周辺にスーパーホームセンター

があるということで、フクシマさんの作業トラックでホームセンターに材料の買い出しに行くことになりました。

10月のある日の朝10時、埼玉奥地の私鉄の駅に私は到着し フクシマさんに連絡しました。

「着きました!いまどの辺りですか?」

「あ、ロータリーのバスの後ろにいます。」

あ、あのトラックだ。と白い大きな荷台のあるトラックの方向に歩いていこうとすると、

フクシマさんのほうから車でこちらにやって来てくれました。

「失礼しまーす。おはようございます!」 

 車の助手席に乗り込みつつ挨拶した。

「おはようございまーす」といつもに笑顔でフクシマさんも挨拶してくれた。

車は結構大きいサイズでマニュアル車だった。マニュアルの車に乗るのは何年ぶりだろう。

そういえば自分もマニュアルで運転免許を取ったんだったな。と思い出した。

 

大きな荷台付きのトラックをマニュアルで運転して資材を買い出しにいけるなんて、

それも近くにホームセンターではなくて、スーパーホームセンターがあるなんてなんと羨ましい

環境だろう。正直そう思いました。

「 マニュアルなんですね!荷台も大きいですね !! 」ピクニック気分でそう伝えた。

駅から車で20分ほど走ると、スーパーホームセンターが見えてきた。それはただのホームセンタ

ーではない。スーパーホームセンターだ。

「売っていないものはない」と言えるほどの大きさと物量のホームセンターが、スーパーホーム

センターです。

「えーと、このあたりが4mもので、あっちがレッドシダーで、、」とフクシマさんが馴染みの店の中を案内してくれるようにホームセンター内を案内してくれた。

しかし、いつもホームセンターに来るとなぜか無性に気分が上がる。

必要のないものも買わずにはいられなくなるなにかがあるような気がする。

センターの中を一回りした後、DIY作業に必要な材料買い出しを始めることにした。

 

4mほどの長さの材料を30本、同じくらいの長さでもう少し幅の広い木材を4本、

4mの角材を160本、ビスを1万5千円分など、必要な材料を買い出しするだけで 朝の10時から

16時頃までかかってしまった。

 

結局 材料費だけでトータル10万円を超えてしまいました。

こんなに大量の材料をレジまで運ぶのも一苦労なんですが、レジの人も慣れたものでピピピッと

顔色ひとつ変えずにササッとお会計してくれました。このくらいの大規模のホームセンターにな

ると、ここに来るお客さんも慣れたものでこれだけ大量にレジ精算している我々の後ろに並んで

いても、いつものことのようにイライラすることもなくまったく冷静に順番を待っていました。

これが都心のホームセンターだと、買う方も並ぶほうもドキドキすることが良くあるのです。

レジを終えた大量の木材をトラックまで運ぶと、フクシマさんが手際よく運搬時に崩れないよう

にロープで上手に縛り上げてくれた。荷台に固定し終わると、材料となる木材はいったんフクシマさんの工房に運び込むことになった。

車でしばらく走ると、5年もの歳月を 完成を目指しひとりで大工工事をしているという フクシマ

さんの工房に到着した。そこはまさに男のロマンの詰まった場所であった。

工房訪問については、詳しくは後日綴ってみたいと思う。

荷下ろしした大量の材料はフクシマさんが工房でカット加工してくれることになり、数日後に

RRP_Rooftop でいよいよ DIY作業することにきまった。

 

 

10月の1週目、朝から雲ひとつない青空の日。

気温20℃、湿度40% まさに DIY日和の日の朝、フクシマさんが材料を乗せてApartment RIKYU

に到着した。

「いま、下に着きました」とメッセージがあった。

「いますぐ行きます」と返信して階段で1Fに降りていくと、大量の木材とともにフクシマ

さんが笑いながら立っていた。

「じゃ、やりますか」と気合いを入れてフクシマさんに言った。

ほとんどの木材は 1m20cm くらいにカットしてきてもらったので、階段を通って運搬し

6階にあたる屋上まで運び上げた。カットでいずに 4m ちかい長さのままの木材は、

当日たまたまマンションの館銘板の取り付けに来ていた工務店の社長さんにも、搬入荷上げを

手伝ってもらった。

道路の側から木材を立てて、2階と3階で廊下の通路から一本づつ引き上げて荷上げした。

屋上までの階段を25往復くらいして、ようやく材料の荷上げが終了した。

時計はすでにお昼近くになっていた。

「あー、疲れましたね、ちょっと休憩しましょうか」とフクシマさんに伝えた。

「そうしましょう」

お昼休憩を挟んで、午後13時過ぎに作業に取りかかった。

午後からは少し雲が出てきたものの、湿度も低くほんとうに爽やかな気候で、DIYするには

絶好の天気の日だ。運搬で足が多少怠いが作業はなかなか楽しい。

「じゃ、私がウッドデッキの下地を作るので、塔屋のベンチ用の木材をカットしてください」

フクシマさんの指示で作業は別々に進めることにし、私は角材を 120cm に切りそろえる作業

と、その切った角材に防腐剤を塗り、さらに白いペンキを上塗りする作業を担当することに

した。

160本近くの角材を切りそろえるのも、なかなか大変な作業量であったのだけれど さらに大変

だったのは塗装の作業だった。ご存知の通り角材は全部で6面あるわけで、綺麗に塗ろうとすると

1本につき6回塗り分けをする必要があります。

それを160本ということで、塗っても塗っても全然終わる気配がない。

途中から綺麗に塗ろうという気持ちもなくなって、何本も一緒にダーっと塗料を塗るタクるよう

になっていったのだけれど、それでもいつになったら終わるのだろうという状態であった。

そうこうするうちに当たりは暗くなってきて、作業を続けることはできなくなってしまった。

10月にもなると17時過ぎには日没を迎え、夏期にくらべて作業時間が断然短くなる。

当たりに散らばっていた道具などを整理して1日目の作業を終了した。

「いやー、お疲れ様でした。明日は8時くらいから塗装はじめているので、そのまま上がって

きてください」とフクシマさんに伝えた。

「はい、わかりました。じゃ、明日またよしくーす。」

屋上の扉を閉めて部屋に戻った。

[ 次回へ続く ]